データロガーを用いた畑の温度記録とブルーベリー栽培(準備編)

ブルーベリー

祖父母と父が8年のうちに立て続けになくなり、相続した田舎の畑は長い間放置されていました。
畑を放置したままでは雑草が伸び放題になります。そのままでは、害虫の温床になり近隣の畑にも迷惑になってしまうので管理を行う必要があります。
しかしただ除草して放置しておくだけでは固定資産税もあり非常にもったいないです。そこで維持にかかる費用を、作物を育て、販売することで確保することができるようにしたいと考えました。
今回は、畑の気象条件を計測と、果樹である「ブルーベリー」栽培の決定、植え付けの」準備について紹介していきます。

圃場の温度を測定する

以前温度測定のための百葉箱を自作し畑に設置しました。
内部には、温度ロガーが吊るしてあり、15分ごとの温度を記録してくれます。

温度ロガー
百葉箱の中に設置した温湿度ロガー

写真のロガーはRC-5でAMAZONで千円台で入手できます。ボタン電池で駆動し、測定したデータはUSBでPCに取り込むことができます。

USBをPCに接続し専用ソフトを起動します。

このようなデータが読みだせます、縦軸は気温、横軸は日付を表していて、PDFやエクセル形式のデータに変換することができます。

これは1月のデータですが、果樹の低温要求時間である7.2℃をほぼ下回っていることがわかります。(グラフ中ほどに変化のない日がありますが、大雪で百葉箱が埋まってしまっていたためです)

12月~3月の間で7.2℃以下の日をざっくりカウントすると50日程度。
50日×24時間=1200時間 となりハイブッシュの低温要求時間を確保できていることになります。これにより気温条件的には、寒冷地向けの「ハイブッシュ」に適していることがわかりました。
この結果を踏まえて、まずは「ハイブッシュ」「サザンハイブッシュ」を中心に育てることにします。
(地植えの場合ハイブッシュ系はラビットアイ系に比べて育てにくいそうですが、気象条件を優先しハイブッシュから栽培を試みます)

土壌PHの確認

ブルーベリーは、酸性土壌を好みます。土壌の酸度を示す指標としてはPHがあります。
日本の気候における一般的土壌のPHは、大体6.0程度。この値より大きければアルカリ性、反対に小さければアルカリ性に傾いていることになります。

系統別ではハイブッシュ系ではPH4. 3~4.8、ラビットアイ系でPH4. 3~5.5が適しています。試しに畑のPHを測定すると

シンワ測定製の土壌酸度計を使用 湿らせた土に差し込むだけでPHが測定できます。

精度のほどはわかりませんが5.6~5.8といったところでしょうか。
日本では一般的な土壌は6.0程度だそうなのでやや酸性よりですが、ブルーベリーを育てるためには、酸度が不足しています。そこで土壌改良をしてPHを調節する必要があります。

土壌改良資材

ブルーベリーの植え方について書籍やネットを調べましたが、植穴の大きさや使用する改良剤の量、混ぜ方等は書籍や生産者によって違いがあります。土壌改良材には一般的に鹿沼土・赤玉土・ピートモスなどが使われます。
園芸用のブルーベリー栽培用の土が販売されていますが、これらの土が配合されていることが多いです。今回は、ピートモスを使用していきます。ピートモスの特徴としては酸性の他に水持ちがよく、ふかふかの柔らかい土であることです。注意点としては「酸度未調整」のものを使用すること
また、購入時は乾燥していて水をはじくので、よく混ぜ合わせて水をなじませておく必要があります。

植穴準備

50×50cmの植穴

NHK出版の趣味の園芸では、縦80×横80×深さ40cmの植穴を掘り100ℓのピートモスを掘り上げた土に混和しています。
私の場合は、縦50×横50×深さ40cmの植穴に50ℓのピートモスを入れることにしました。
書籍より小さめにしたのは、私が月3日程度しか作業する時間がないため80cm四方の植穴だと作業負担が大きすぎからです。(30cmの差ですがトータルの負担は大きく違います。50cmだと穴掘りだけなら5分もかかりません)。

深さ40cmまで穴を掘っていきます。

もう1つの理由は費用面です。私が今回試験的に植え付けを行うブルーベリーは50本程度なので、縦80×横80cmの場合、必要なピートモスは5000ℓ。
コメリのピートモスは50ℓ1000円程度で販売していますので、ピートモスだけで10万円程度と高額になってしまいます。栽培の経験と技量がないうちから多量の金額を投じても、失敗したときのリスクが大きいため50cmで使用量を抑えました。(ただ植穴が小さい場合はピートモスの比率を上げる等の調整が必要です)

ピートモスを投入、水は吸わせていません。

書籍によっては水はけをよくするため、底面に鹿沼土を敷き詰めることを推奨しているものもあります。

ピートモスを3分の1程度投入した後、底面の土と混ぜます。

残りのピートモスを投入します。

乾燥したピートモスの飛散防止に水を加えています。この植穴は、苗植え付けの1ヶ月以上前に作成しています。即苗を植え付けるのであれば、植穴に投入する前によくピートモスを水になじませておく必要があります。今回は自然の雨にさらして水分を吸収してもらうことにしました。(水とピートモスを混ぜる作業の時間が取れないため植穴でなじませるようにしました)

散水するとピートモスは体積が小さくなるので少し追加します。

植え付け時に使う支柱を立てておきます。ピートモスと周りの土が区別できなくなることを恐れて目印として立てましたが、実際は一か月後もピートモスは明るい色をしていたので判別は用意でした。
概ねここまでの作業で10分程度なので、一日もあれば50個分の植穴は用意することができます。
次回は栽培する品種の検討と植え付けについてまとめていきます。

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