(無料)図面やGoogle map から面積を測定する方法(農地)

フリーソフト
地図から面積を測定する

 突然相続してしまった土地。不動産の登記簿や農地台帳等に大まかな面積の記載はあるものの、部分的に知りたい範囲だけをより詳細に調べようとした時にどのような方法があるでしょうか?
 現況調査として、資格を持ったプロである土地家屋調査士に依頼をした場合、数十万円単位の費用が掛かってしまいます。土地の使い道を検討するため大まかな面積を算出する必要がある場合、フリーソフトやGoogle mapを利用することでパソコン上で調べる方法があります。今回は、平面図や上空写真などから面積を算出する方法をご紹介します。

面積を把握したいケースは多い

私には相続した耕作放棄状態の農地(地目は畑・田・山林)があるのですが、この土地を利用するための方針を立てるために面積を知る必要がありました。
面積がわかれば農業を行うときに、年間で期待できる収量や、管理に必要な農薬・除草剤の使用量など、収支と支出を想定することができます。
もちろんシミュレーションしたとしても実態は差異があるでしょうが、少なくとも事前にどのくらいのリソースを投下してリターンがどのくらい得られるかという大まかな検討ができます。

Google mapで確認できる土地の面積を測定する

Google mapで確認できる土地に関しては、表示された地図上に点を打っていくことで、点で囲まれた範囲の面積を簡単に算出することができます。
今回は例として石川県にある兼六園の敷地面積を調べてみます。

google mapの面積測定機能
Google map で「地図表示」にした場合

Googlemapで目標の物件を検索します。Google mapでは地図表示と航空写真表示に切り替えることができます。今回は地図表示にしていますが、田・畑・森林等の面積を測る場合は航空写真のほうがわかりやすいです。

ただし航空写真は、googleの過去の撮影時点のものなので植生や地形が現況に対応しているか確認してください(航空写真の撮影日は右下に記載されています)。とはいえ古くても2~3年程度前なので、そこまで大きく変わることはないと思います。

地図を表示させたら面積を知りたい範囲をなるべく大きく拡大します。測定の精度を上げるためです。

「距離を選択」

地図表示の画面上で右クリックし「距離を選択」を選びます。

周囲に沿ってクリックして点を打っていく

すると距離選択モードに変わるので、面積を知りたい場所の外周をクリックして囲んでいきます。
この時点を細かく打つことで、曲線等複雑な地形に対しての精度が上がります。

最後の点を最初の点に重ねる

最後の点は最初に打った点に重ねます。

面積・周囲の長さが表示される

これで画面上に点で囲った範囲の面積と距離が表示されます。今回の兼六園の面積は124768m2 (12.7ヘクタール程度)となりました。参考にwikipediaだと総面積11.7ヘクタールと記載がありますので誤差率8%程度です。点を打つ回数を増やしたり、航空写真で行うことでよりもう少し精度を上げることができると思います。

平面図・地図などのPDFデータから面積を求める

手元にすでに地図や屋内の図面から面積を求めるにはどのようにしたらよいでしょうか?
方法としてはPDF形式の画像にスキャン・変換してFoxit-Readerというフリーソフトを使用するやり方があります。

Foxit-Readerでは先程のGoogle mapと同じようにPDFファイル上で周囲を点で囲むことによって面積や周囲の長さを求めることができます。ソフトの使い方についてはこちらのサイト様に詳しく紹介されています。不動産実務TIPS

Foxit-Readerを公式サイトよりインストール

FoxitReaderの使い方

Foxit-Reader公式サイトにアクセスし無料版をダウンロードします。

「ダウンロード」ページからフリー版をクリック

登録フォームより「氏名」「メールアドレス」「利用目的」を入力し、「送信する」をクリックします。アドレスあてにメールあてにFoxit J-Readerからメールが届きますので、メール添付のリンクにアクセスし、ダウンロードを行います。

セットアップの途中で付属のソフトのインストールを聞かれますが、私は全てチェックを外しています。

PDFファイルを用意

紙の図面はスキャンしてPDFファイル形式で取り込みます。JPEGの画像データしかないときはエクセルに貼り付けてPDF形式で保存することができます。エクセルがないときはJPEGをPDFに変換できるウェブサイト等を利用してください(安全性については注意してください)
私は公的な地図を持っていないため、今回はGooole mapの地図をスクショして地図データとして面積を求めてみます。

Foxit J-Readerで面積を算出する。

それでは今回は芦ノ湖の面積を測っていきましょう。

Foxit J-Readerを起動してPDFファイルを開きます。

ファイルを開いたら「注釈」タブの「面積」をクリックします。

「注釈フォーマット」の「校正」をクリックします。

地図中のスケールバーの両端をクリックして、縮尺比率(スケールバー左に表示している値)を入力し「OK」をクリックします。これで縮尺の校正ができます。

ここから先はGoogle mapを用いた測定と同じです。面積を測りたい部分の外周をクリックして囲んでいきます。

全て囲むと面積が表示されます。今回の結果は6858463m2 ≒ 6.9km2と求められます。
wikipediaで申しわけないですが面積は7.1km2と記載されていますので約3%程度の誤差になります。実際の田や畑では、今回のような曲線はあまりないと思いますのでより高い精度で測定できると思います。

機材も現地に行く必要もなし

今回のような方法を使えば、特定の土地の面積や外周の長さなどを測定することができます。
参考に私が活用した事例については 
・放置竹藪の管理のための必要伐採数を求める→手がかかるため駆除を決定
・耕作放棄された農地の面積から果樹の予想収量を算出→ブルーベリーの栽培を決定
・ロボット草刈り機導入のための、草刈り面積とエリアワイヤー敷設ルートの検討

等があります。遠方の相続農地活用を検討する身としては、現地に行かなくともおおよその面積を割り出せることが大きな利点になりました。方法も簡単ですのでぜひ試していただきたいです。

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